
私は現在、工学部の物理工学科で勉強しています。なぜ私が今の進路を選んだのか、その簡単なきっかけを紹介したいと思います。
学科を目指した理由」の一番初めに「本」が出てくるなんて、そんな馬鹿な!と思われるかもしれません。勿論私の志望動機は本だけではないですが、志望動機のもっと根底、つまり「物理が好き!」の根っこには、本の中の彼との出会いがあります。
その本とは、まさに私の人生を変えた一冊「探偵ガリレオ」です。当時中学一年生の私は東野圭吾さんのこの推理小説に夢中になりました。天才物理学者の湯川学が奇妙な刑事事件を科学の力で解決していく、というストーリーで、短編集なのでスラスラ読めます。物理学者が巧妙なトリックをどんどん見破っていくのは痛快で、物理がぐっと身近になります。些細なきっかけですが、この本のおかげで「物理学者かっこいい」→「物理かっこいい」→「物理好き」となり、今につながっています。
本の虫であった私ですが、それと同じかそれ以上に「工作」が大好きでした。小学生の土日は大抵、紙でPOP-UPカードを作ったり、レゴブロックで船を作ったりして過ごしていた記憶があります。そんな「ものづくり」が好きだった私は、高校の進路希望で自然に工学部を目指しました。一時期、例の天才物理学者に憧れて(笑)理学部を目指していましたが、自分が本当に好きなことを思い返してみると、やはり実践的に「作る」イメージのある工学部が魅力的に思えました。まだ1回生なので数学や英語など一般教養の授業が中心で、「ザ・工学部」の授業は受けていないのですが、今から増えてくるだろう実習を楽しみにしています。
このように、「かっこいい」「楽しめそうだ」という割と単純なきっかけで物理工学科を目指した私ですが、いつしかその目標は自分にとって妥協できないものとなっていました。(どれくらいかというと、一年間浪人するくらいです…笑)皆さんも、自分の目指す道がこれで良いのか迷ったときは、「自分が好きなこと」を考えてみてはどうでしょうか。案外思いもよらないところにヒントがあるかもしれません。