京大生による完全個別指導 神戸本山学園

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大学の数学でのほろ苦い思い出~ベクトル~

2024年09月12日
    • 学園長出谷が京都大学で受けた講義の中で強く印象に残っている思い出をご紹介したいと思います。

      大学の数学でのほろ苦い思い出~ベクトル~

      高校時代大好きだった「ベクトル」

      私は高校数学でベクトルの分野が一番好きでした。今の高校生も習いますが、主に図形に対して使い、交点や位置関係を求めるのが得意です。幾何が苦手だった私は、補助線やひらめきに頼らずいくつかのルールに従って計算を進めるだけで図形の情報が得られるということに感動しました。習って一番感動したことは何かと聞かれたら真っ先にベクトルが思い浮かびます。

      大学で習った「ベクトル」

      大学1年生の必修科目に「線型代数」という科目があり、教科書が「ベクトル空間」というセクションから始まっていました。ベクトルが大好きだった私は何を習うのだろう?と楽しみに授業に向かいましたが、そこで出てきたベクトルは私が想像していたものとは全く違いました。高校生の時に習う(主に図形の処理に使う)ベクトルは、ベクトルの世界のごく一部であり、大学のベクトルは私の想像とは全く違うものでした。
       特に「ベクトル空間」という言葉の意味は衝撃的で、「足し算が出来る空間」という意味でした。足し算が出来るかどうかという事を考えたこともなかったので、「?????」となりました。こんなのベクトルじゃない!とショックを受けた記憶が強く残っています。

       勉強をしていると感動的な出会いもあればショッキングな出会いもありますが、どちらも自分の見識を広げてくれます。身の回りのことと関連していて「あれはそういうことだったのか」という発見もしばしばあります。大変なことも多い勉強ですが、このような所に小さな喜びを見つけられると頑張る原動力になります。勉強に疲れた時には、日々の出来事で「なんでだろう?」と思えるものを探してみてください。また違う刺激を得られることと思います。