京大生による完全個別指導 神戸本山学園

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意外と危ない効率至上主義

2024年05月16日
    • 何をするにも効率性を追求することは大切。勉強においても効率の追求は間違いではありませんが、一定のレベルを超えるとあまり効率ばかりを気にする人は減ってきます。その訳を説明します。

      意外と危ない効率至上主義

      効率重視、その裏返しは?

      同じことをするなら、効率よく、つまり少ない労力で良い結果を出そうとすることは大切です。数学や理科でいうと、
      ① 1問1問をしっかりと掘り下げて深く理解し他の問題にも応用できるようにしておくことや、
      ② 適切なタイミングで復習をし忘れないようにすること、
      ③ 赤シートを使ってテスト形式で暗記をすることなどがこれに当てはまります。受験勉強においても出来るだけ無駄を省くことは大切です。
      ②や③は常に正であると考えています。一方、① のような考え方は危険性もはらんでいます。同じ労力で最大限の結果を出すこと、繰り返しになりますが大切です。ただ、これを「楽して良い結果を出そう」という考えと混同している人を時に目にします。
      共通テストに代表されるように、試験は時間とミスとの戦いです。では、如何にして精度と速度を向上させるか。
      反復練習が必要不可欠であることは言うまでもありません。そしてその作業は退屈で、疲れます。
      また、難関大を目指すような生徒さんであっても、知らない問題は基礎的な問題でも大抵解けません。特定の問題を深く理解したとしても、ある程度以上問題に変化があると簡単な問題であっても解けないということがよくあります。
      京大生に勉強の極意を聞くと異口同音に「たくさんやること」、もしくはこれに類することを言います。受験勉強を始めたころはいかに効率よく進めようか(出来れば楽な道を探したいな)と誰しもが考えますが、レベルが上がれば上がるほど、楽はさせてもらえないなと気づき始めます。

      効率至上主義者がはまりがちな落とし穴

      効率を気にしすぎる人に良く見られるのが、多くの参考書や問題集を持っている(そして使っている教材がコロコロ変わる)ということです。
      効率を気にしすぎるあまり、少しでも使っている教材に気に入らないところを見つけると、他にもっと良いのがあるのでは・・・と考えるからです。しかし、どの教材も、作った人は違っても同じ入試問題を見て作られています。
      作るにあたって、既にある教材の研究も当然します。そのため、コンセプトやレベルが同じであればどの教材も載っている内容はほとんど同じです。そうであるにも関わらず、せっかくある程度進めた教材を切り替えるのはもったいないです。
      また、効率を気にした結果演習量が足りずに、計算ミスが多くなったり時間が足りなくなったりということが原因で点数が伸びないということもあります。
      家では解けるようになったけれど、本番の緊張下で、かつどの分野からの出題かどうかもわかっていない状況でも解けるのか?ということまで考えていますか。
      問題集をすり切れるほどやりなさいとよく言われますが、出来るようになった問題を繰り返すことも大切です。

      京大生は効率、効率・・・と言わない

      難関大にきっちりと合格していく学生はあまり「効率が・・・」とは言いません。
      これは上記の通り速度や精度を追求し、本番で自分のパフォーマンスが落ちることも想定すると、どうしても計算ドリル的な演習も避けて通れないことを理解しているからです。自分が解けるかどうか分からないような、「新しい」問題ばかりに取り組むわけにもいきませんし、「分かった」と思ってからもやることが沢山あることに気づくと、あまり細かいことに気を取られて時間と労力を浪費するよりは、その分手を動かすほうが効果的であると感じるようになります。
      効率を気にしすぎて、逆に効率を落とすことになっていませんか?勉強はしているけれど伸びが悪い、分からないわけではないのに点数に結びつかないという方、一度自分の失点を分析し、勉強の内容を見直してみることをお勧めします。