
今回は、文理選択について考えてみたいと思います。 最近では、文理融合や分野の垣根を越えた学問、教育も注目されてきていますが、多くの人が、高校1年生で文系に進むか理系に進むかを決めると思います。最初からこっち!と決まっている人はあまり悩む必要はないかもしれませんが、自分のやりたいことが分からない、どっちがいいんだろうと迷う人もいると思います。 参考として、いくつか文理選択の決め方をみていきましょう。 (薬学部2回生 S先生)
よく言われるのは、国語、社会、英語が好きな人は文系、数学、理科が好きな人は理系に進むのがいいということです。好きな教科、分野の勉強の方が楽しめるでしょう。 そのように選ぶと、それぞれ学年が進むと、自分の好きな教科を学ぶ授業の比率が増えますし、受験科目もそのように偏っていることが多いです。
これは、ある程度やりたいことが決まっている人が取る決め方だと思います。医師になりたければ、医学部で理系といったようにです。はっきりとは決まっていなくても、どのような職業に自分が就きたいのかをおおまかに考えることで、文系or理系の勉強をしておいた方が役に立つな、文系or理系の学部に進んだ方がいいなと気付けることもあると思います。
自分の得意な教科から決めた方が、テストで点数も取れるし、楽しいと思うことが多いため、勉強も捗るでしょう。具体的にやりたいことがないからこそ、まずは自分の得意科目を活かして受験を戦い、就活に有利な難関大学に行っておこう、という人もいます。
ただし、逆に苦手な科目を避けて選択すると失敗しやすいです。例えば数学が苦手だから文系と安易に決めたものの、文系でも数学が受験科目に入っている大学があったり、逆に英語国語で差がつかず、数学で差がついてしまったりということがよくあります。 基本的に、受験は苦手科目がない人が強く、苦手科目を抱えると余程人よりも出来る科目がなければ挽回が難しいです。得意科目を活かすためにも苦手科目は出来る限りなくしましょう。
理系から文系に移ることは比較的簡単です。高校生の間に文転することも出来ますし、大学進学後、就職活動の際に(理系学部でも)文系として就職することも可能です。しかし、ひとたび文系に進むと、そこから理系に移るためには多大な労力が必要で、ロスも大きくなります。例えば大学受験に向けて理転するとしたら、数学IIIや理科(物理・化学・生物から2科目)を新たに勉強しなおさなければならない一方、社会1科目は不要(ムダ)になります。
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上述の通り、文理選択をしてからも文転、理転という道もないことはないですが、「あの時もっと真剣に考えておけばよかった」と自分が後悔しないようによく考えて決めてもらいたいと思います。また、最後に決めるのは自分ですが、学校の先生や塾の先生、家族や友達などと意見交換をして自分がどちらが向いているのか、どちらに進みたいのかを見つめ直すのもよいでしょう。将来に向けてしっかり考えて納得のいく文理選択をしてほしいと思います。